Cafe de Viola　～カフェ ドゥ ヴィオラ～｜由紀さおり・安田祥子 オフィシャルホームページ

前回、主人澤田久雄を紹介致しましたが、なぜ安田祥子が澤田家と姻戚関係なったのか？
世が世ならば考えられないご縁をいただく事になったわけですから不思議に思っていらっしゃるかたもあるようです。自分でも不思議なご縁だとつくづく思っていますから（笑）
今回はその辺の事を少し書いてみます。

主人との出会いは音楽を通して「合唱団員とソリスト」という関係で始まりました。
（これは前回お話ししましたね）ニューヨーク勤務だった彼は、海外へ出掛けるたびに我が家へも色々お土産を届けてくれる様になり、父や兄とお酒を飲んでは大笑いをして帰って行くようになっていきます。コンサートに来てくれた時は「花より団子！」と言いながらユニークな品々を届けてくれました。
ある日「祥子たいへんよ！あちらは岩崎家のお嬢様澤田美喜さんと澤田廉三さん（初代国連大使）の息子さんよ　我が家とは違い過ぎ！そんな教育もしていないし、あなたが嫁として勤まるか心配」と母に言われてしまいました。
私もエ～ッとびっくり！その後も彼がニューヨークのアパートの見取り図や生活の事等など、手紙や国際電話で言って来るたびに私の気持ちはユラユラゆれていった訳です（笑）

義父である澤田廉三は本当に紳士で　コメディフランセーズでフランス語を学び、外務省の外交官試験のフランス語のテストは殆どお義父様がチェックをしていたとか。お目にかかった時も東大のボート部の歌をフランス語で歌って下さいましたし、日記はすべてフランス語！娘が生まれる前の年に旅立たれ、結婚式を含めて５回程しかお目にかかる事ができませんでした。静かな優しいお義父様でした。義母澤田美喜は覚えていて下さる方もあると思いますが、大磯にあるエリザベスサンダースホームを設立し戦災孤児を２０００人以上育ててきました。（義母の果たして来たお仕事については創設６０年を過ぎた現在、時代の変化や世の中の受け止め方の違いによって過ぎてしまった事の様に思われがちですが、今も「ママチャマ」と言って大事に思って下さっているホーム卒業生達の存在を忘れてはいけないと思っています。）

三菱財閥の創始者岩崎弥太郎の長男岩崎久弥の長女です。岩崎弥太郎は昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に龍馬の友人として描かれていました。少年時代の貧しい土佐の生活が描かれた時あまりにもみすぼらしく、何故か私の所に女性週刊誌の記者がコメントを取りに来て「あんなに貧しくきたなく描かれて不満は？」ですって、私が知っているはずもないのに（笑）ドラマでは私の大好きな俳優香川照之さんが弥太郎を熱演していましたね。

鳥取出身の澤田廉三と結婚した澤田美喜は３人の男の子と女の子一人をもうけます。
私の主人となった久雄は次男です。おじいさまの久弥と同じ誕生日なので唯一おじいさまの「久」という字をいただけたのだそうです。そ
んなこんなの、あまりにも生活環境の違う方の所へ、・・・と母が心配していましたが　両家でお目にかかった時に「どうぞ　身一つで来て下さい！祥子さんが困るような事があれば私が応援しますから。」とお義母様が言って下さり、母も私も安心しました。
彼が出張で東京へ来た時に　慌ただしく結婚式を教会であげ翌日主人の勤務先であるマンハッタン　ニューヨークへ。　
まさに身一つで・・・。
私にとって、の海外生活、そして新婚生活がスタートしました。


2011年